眼瞼下垂

まぶたが重たい…眼瞼下垂とは

まぶたが重たい…眼瞼下垂とはまぶたが下がって見えにくくなる状態のことを眼瞼下垂といいます。
目を開ける筋肉や膜が弱まることで視野が狭くなる、まぶたが重い、見えにくい、額のシワが目立ってくるなどの症状が見られます。視界が狭くなることで頭痛や肩こりを引き起こす原因にもなり、自律神経症状を起こすことがあるため、的確な診断が必要になります。
気になる症状がある方や、おでこのシワが目立って気になる方などは、お気軽に兵庫県揖保郡の松浦眼科医院までご相談ください。

眼瞼下垂の症状

眼瞼下垂の症状上瞼が下りてきて視界が狭くなってものが見えにくくなるほか、見た目の印象が悪くなることもあります。軽度から中等度、重度と進行具合によって症状が酷くなり、次第に日常生活に支障を及ぼすようになります。
眼瞼下垂には以下のような症状があります。

  • 加齢に伴ってまぶたが垂れ下がってきた
  • 瞼が開きにくい
  • 瞼が重い
  • 目が疲れやすい(眼精疲労)
  • 自律神経が乱れてきた
  • 原因不明の頭痛がする
  • 肩凝りやめまいが続く
  • 熟睡できない
  • 手足が痺れる
  • 顔面や瞼が痙攣する
  • イライラや落ち込みがある
  • 歯が痛む
  • 顎関節症の症状が出る
  • 上手に発音できなくなった
  • 非アレルギー性喘息と診断された など

その他では、二重幅が狭くなったり、二重が三重や四重になったりすることがあります。また、視界の悪さから眉毛を上げてものを見ようとしたり、顎を上げて上から見下ろすように見たりするようになります。ものの見方によっておでこにシワが刻まれるようになったり、いつも眠たそうと指摘されたりするなど、見た目にも変化が出てきます。

眼瞼下垂セルフチェック

眼瞼下垂かどうかをご自身でできるセルフチェックがありますので、以下のような症状がないか一度チェックしてみてください。

  1. まぶたが下りて瞳にかかっている状態
  2. まぶたの皮膚が垂れ下がって、睫毛の根本が見えなくなっている
  3. おでこに力を入れて見ようとしないと目が開けられない

眼瞼下垂の種類と原因

腱膜性眼瞼下垂

筋肉が緩んでいることで眼瞼下垂が起きている状態です。通常、眼瞼挙筋が瞼の端にある瞼板を持ち上げることでまぶたが上がっています。腱膜性眼瞼下垂の場合、眼瞼挙筋と瞼板をつなぐ挙筋腱膜とミュラー筋が緩んでしまっています。

原因

主に加齢によって挙筋腱膜とミュラー筋が緩むことが原因ですが、症状の進行度には個人差があります。また、白内障手術の後に起きたり、ハードコンタクトの長期装用で生じたりすると言われています。

上眼瞼皮膚弛緩症

皮膚がたるみ、覆い被さることで眼瞼下垂が起きています。まぶたを開けていても皮膚が被さって瞳孔にまでかかってしまうことで、見えにくさが生じてしまいます。まぶたが重く、見た目にも変化が生じます。

原因

主に加齢が原因です。まぶたの皮膚がたるんで下りてきてしまいます。

先天性眼瞼下垂

生まれつき眼瞼下垂の状態です。先天的に眼瞼挙筋の機能が低下していて、眼瞼の筋肉を動かす神経に異常があってまぶたを開けることができません。両目の場合もありますが、片目の場合もあります。重度では、目が閉じてしまい、片目でものを見る癖がついてしまい、使わない目が弱視となることがあります。このため、先天性の場合は幼少期から治療を行う必要があります。

原因

生まれつき眼瞼挙筋が弱いのが原因です。眼瞼挙筋の欠損があり、眼瞼を動かす神経に異常がある状態です。

眼瞼下垂は年齢に関わらず起こる可能性があります

眼瞼下垂は年齢に関わらず起こる可能性があります眼瞼下垂は加齢だけが原因ではありません。生まれつき眼瞼下垂だったり、生活習慣が原因で起こったりするため、年齢に関係なく眼瞼下垂になる可能性があるとされています。特に、最近では20代や30代の若い人にも多く見られるようになりました。ハードコンタクトレンズの長期装用や誤った使用方法によって目の周囲の筋肉が弱ってしまったり、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状によって目を擦ることで引き起こされたりすることがあります。また、過度のアイメイクなどによっても眼瞼下垂を起こすことがあるため、年齢に関わらず眼瞼下垂には十分気を付けて過ごすことが大切です。
若い頃に発症した場合は、早めに治療を行うことをおすすめしております。治療せずに放置してしまうと、老化が進んだ時に眼瞼下垂が重症化することがあります。気になる症状がある方は、まずは当院までご相談ください。

眼瞼下垂が保険適応になる
条件は?

眼瞼下垂の手術が保険適用になる条件は、以下の通りです。

  1. 医師より眼瞼下垂症と診断されている
  2. 手術目的があくまでも治療が必要な疾患であって、美容目的ではないこと
  3. 国が認めた治療方法であること、または厚生労働省が認めた医薬品であること
  4. 保険適用となる治療方法(挙筋前転法)の規定に則っていること。
    (美容目的での治療には保険は適用されません)

眼瞼下垂が保険適用で治療ができるかどうかは、まぶたが下りて視界が狭くなり、日常生活を送るのに支障があるか否かで判断されます。

眼瞼下垂の診断方法

眼瞼下垂の診断方法基本的な診断基準は、以下の通りです。

  • 上のまぶたが瞳孔まで垂れ下がり、覆ってしまっている状態
  • まぶたを開けるには力が必要で、上まぶたによって視力障害が起こっている状態
  • 黒目の中心から上まぶたの縁までの距離が3.5mm以下の場合は、眼瞼下垂と診断されます

また、眼瞼下垂の種類を特定するには、上眼瞼挙筋機能を測定します。眼瞼を上げたり下げたりする筋力がどれぐらいあるかを調べます。 ただし、急激にまぶたが下がった場合は脳梗塞や脳動脈瘤などの脳疾患や、糖尿病によって起こる動眼神経麻痺などの可能性があるため、MRIやCT検査や血液検査を行います。また、筋肉自体に異常が起こる疾患としては、筋強直性ジストロフィーやミトコンドリアミオパチーなどが考えられます。また、朝は正常だが夕方になるとまぶたが開かなくなるなどの症状がある場合は、重症筋無力症などの神経疾患が疑われるため血液検査を実施します。

眼瞼下垂の治療方法

手術

眼瞼下垂の主な治療方法は、原則手術を行います。眼瞼下垂には、内服薬治療などは効かないため、症状に適した手術方法をご提案しています。眼瞼下垂が日常生活に支障を及ぼしている(機能的に問題がある)場合には、保険適応の手術を実施しています。

挙筋前転術

上まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋が伸びきってしまい、眼瞼下垂となる腱膜性眼瞼下垂・筋性眼瞼下垂の場合に、挙筋前転術を行います。二重の線を切開して、伸びきった眼瞼挙筋を前方に縫い縮めて固定します。伸びきって薄い部分を縫い縮めることで、伸ばしたり縮めたりする力を頑強にしていきます。

前頭筋吊り上げ術

眼瞼挙筋と瞼板をつなぐ挙筋腱膜とミュラー筋の機能が非常に弱って機能しない、または神経麻痺で全く動かないという場合、先天性異常で機能不全の場合には、まぶたを持ち上げるもう1つの筋肉である前頭筋を生かしてまぶたを持ち上げていきます。前頭筋はおでこの筋肉を指します。前頭筋に人工の繊維などを入れ、まぶたにつないでおでこの皮膚ごとまぶたを吊り上げます。

(眉毛下・重瞼)余剰皮膚切除術

まぶたを上げる筋肉や神経にも異常がないにも関わらず、まぶたが覆いかぶさるように垂れ下がる偽牲眼瞼下垂の場合には、余剰皮膚切除術を行います。上まぶたの皮膚が重くたるんでいるために、まぶたは持ち上がるのに見えにくいという状態が起こります。筋肉や神経はそのままで、たるんだ皮膚を切除します。切除するのは、眉毛下ラインで行う眉毛下切除と二重線で切除する重瞼線切除があります。

眼瞼下垂手術の流れ

Step1カウンセリング

カウンセリング気になる症状がある場合は、まずはカウンセリングを行います。瞼の開きや見えにくさ、お困りの症状を丁寧にお伺いします。顎の位置や頭位、目の疾患の有無などを診察します。手術をご希望の場合は、手術方法についてのご説明を行います。いくつかある術式のうち、なるべくご要望に応じながら手術方法を決めていきます。また、その他の疾患がないか、全身疾患の症状で眼瞼下垂が起きていないかどうか、血液検査を行って調べます。
なお、保険適応手術になるかどうかの判断も行います。この時に、手術における同意書をお渡しします。

Step2採血結果と手術日の確定

採血結果と手術日の確定血液検査の結果が出たらお伝えします。約2週間以内には採血結果が出ます。血液検査の結果によって内科疾患の異常が見られたら、まずはそちらの治療を優先して行います。
手術日を確定し、手術当日まで体調を整えながら過ごしていただきます。また、血液をサラサラにする薬を服薬している場合は、できる限り休薬していただいています。内科疾患の治療中の方は、かかりつけ医にもお手紙を書くことがあります。休薬ができない場合は、出血の少ない術式を検討していきます。

Step3手術当日 ご来院

手術当日 ご来院血液をサラサラにする薬剤以外に、その他の血圧や血糖の薬は普段の通りに服薬してご来院ください。また、朝食など食事も通常通りでかまいません。ただし、手術直前は避けていただき、手術を始める2時間前までには済ませてご来院ください。
手術は局所麻酔で実施します。手術前診察では、これから行う術式を確認し、血圧値や血糖値を計測します。
出血などから髪の毛を保護するためにビニールキャップを被っていただきます。また、通常は点滴は行いませんが、感染症が気になるケースでは抗生剤を点滴します。

Step4手術の同意書を記入

眼瞼下垂の手術を行うにあたって、手術を受けることの治療効果とともにリスクが伴うことなど、医師による十分な情報と説明を行います。患者様には、それに同意する旨を同意書にご記入いただきます。

Step5麻酔(点眼・局所)

目以外の顔面や頭部は布で覆い、まずは点眼麻酔を行います。点眼麻酔が効いてきたら、瞼に注射の局所麻酔を行います。術中の痛みは、局所麻酔によってほとんどありません。

Step6手術の開始

手術の開始手術にかかる所要時間は、両側手術で約1時間程です。患者様の不安を最大限軽減できるよう行いますので、どうぞご安心ください。

Step7終了

終了術後は出血を抑えるために、創部をテープで圧迫しながらガーゼを当てます。ご帰宅用にお帽子やサングラスを用意していただいています。
術後72時間程は毛細血管からの出血があるため、患部が腫れます。そのため、術後3日間は、湯船に浸かる、飲酒、運動などは控えていただきます。
術後3日間は安静に過ごすことで腫れを少なく抑えることができます。翌日、再度ご来院いただき、経過観察と術後処置を行います。

手術前後の注意点

手術日当日

手術当日は、目周辺のメイクは落としてください。コンタクトレンズを装用している方は外していただきます。
手術にかかる所要時間は、片側で約30分程です。眼瞼下垂の手術歴がある方など、瞼の状態によっては多少長くなることがあります。

手術後

術後は患部をできるだけ冷やしてもらいます。術後は腫れが酷くなることがあるため、手術当日の車の運転は控えていただきます。ご来院にはお連れ様に運転してもらうか公共の交通機関をご利用ください。
術後2週間までアイメイクはできません。手術後のご帰宅用にサングラスや帽子を用意してください。術後翌日には、診察にご来院ください。経過観察と術後の処置、消毒などを行います。
術後2日目が一番腫れてきます。目が開けにくくなりますが、安静に過ごして腫れが治まるのをお待ちください。
術後5日目~2週間までの間に抜糸します。腫れはまだありますが、そのうち治まるのでご安心ください。術後2週間までは創部に軟膏を塗ります。固定が外れるのを防ぐために、術後2か月ぐらいは目を強く擦らないでください。

眼瞼下垂手術の料金

3割負担の方 1割負担の方
眼瞼挙筋前転術 お問い合わせください お問い合わせください
上眼瞼皮膚切除術のみ お問い合わせください お問い合わせください
筋膜吊り上げ術 お問い合わせください お問い合わせください